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2023年に一斉デビューした国産フィアットデュカトのキャンピングカー、7メーカー12モデルを全紹介

ハイエース＆キャラバンといった「バン」をベースにしたキャンピングカー＝バンコンは、国内のキャンピングカー新車販売台数の約半数を占め、日本でもっとも人気なキャンピングカーのジャンルだ。そこに投入された黒船・フィアットデュカト。2022年に正規販売が開始され、2023年に日本の有力メーカーがオリジナルモデルを発表した。その全モデルを紹介していく。

国産車にはない見た目と高性能さ、室内を立って歩けるのも強い

（写真は本国仕様）

フィアットデュカトはバンコンというジャンルのメインストリームであるハイエースよりもさらに室内空間が広く、見た目もスタイリッシュ。走行性能も欧州車らしいハイレベルさで、気になる大きさも、いざ乗ってみると案外苦にならない。

▼フィアットデュカトのサイズや燃費はこちら「乗ってみた」記事が詳しい

ダヴィンチ6.0／トイファクトリー

欧州の高級ホテルのような上質空間

ハイエースキャンピングカーのトップメーカーの1つ、トイファクトリーは4タイプのデュカトモデルを一気にリリースし話題となった。デュカトは全長が5.4mの「L2H2」と全長6.0mの「L3H2」の2種類があるが、このダヴィンチ6.0は大きい方のL3H2をベースにしている。欧州では80％のシェアを誇るドイツの「アグチ」製のシートを採用し、回転機構つきのフロントシートとセカンドシートでくつろぎスペースを構成。トイレルームやキッチン、後ろにはベッドと大型ラゲッジスペースも完備。まさに「動くホテル」といった高級感あふれる1台だ。

オリジン6.0／トイファクトリー

着脱式シートで多彩なアレンジを実現

ダヴィンチに続いてトイファクトリーの大きい方のデュカトを使ったモデル「オリジン6.0」。ドイツ製のシート・「シュニーレ」のキャプテンシートを採用しているのが最大の特徴だ。このシート、なんと着脱できるという驚きの機構を備えており、使いたい人数に合わせてかなり自由にレイアウトが組める。リアのベッドは大人3人が横になれるビッグサイズで、収納も大容量、オプションで3列目シートも購入しておけば最大6人前向き乗車可能と、アイデア次第で無限の使いこなしができる楽しさがある。

ユーロバーデン／トイファクトリー

ハイエースの人気キャンピングカー「バーデン」のデュカト版

トイファクトリーのデュカトベースキャンピングカーの3つめ「ユーロバーデン」は、トイファクトリーのハイエースキャンピングカーの最上位モデル「バーデン」のレイアウトをデュカトをベースに作ったモデル。デュカトの方がハイエースより大きいので、よりゆとりのある空間となった。4人就寝が可能なので、ファミリーユースにもオススメ。

アソボット／トイファクトリー

デュカトの可能性を広げるミニマル仕様

トイファクトリーのデュカトモデル、最後の1台はカーゴ的な使い方が楽しそうなモデル「アソボット」だ。オリジン同様にドイツのアグチ製シートを採用してレイアウトの自由度をあげ、もう1つ、ドイツのメーカー「bott（ボット）」の家具ユニットを乗せる。シート、アクリル窓、ベッドキットなどのオプションが多種多様に用意され、自分のライフスタイルにドンピシャな1台を作ることができる。車中泊仕様、バイクや自転車を積むトランスポーター、ビジネスユースまで、デュカトの可能性を大きく広げる新提案だ。

お値段も657万8000円〜と、全メーカーのデュカトモデルで最安なのもポイント。トイファクトリーは2024年2月2日に全車一斉の価格改定を予定しているので、検討するなら早めがオススメだ。

▼アソボットについて詳しくはこちら

フォルトナ タイプC／ナッツRV

断熱＆電源システムの充実度も文句なしのファミリー仕様

ナッツRVはこれまでも東和モータース販売と共同開発でキャンピングカーを送り出してきたが、この「フォルトナ」と「スペランツァ」もその方式。東和モータース販売では「スペランツァ540C」という名前で販売されている。

フォルトナ＆スペランツァのシリーズは、テーブルと椅子で構成されたダイネットが前後2つあるレイアウトを採用しており、このCタイプでは2つのダイネットの間にクローゼットが用意されている。前後2つの部屋があるので、後ろで子供を寝かせた後に大人は前の部屋でくつろぎタイム、といった形でシーンを分けて生活できるのがメリット。ナッツRVのこれまでのキャンピングカー作りの経験を活かし、バンコンでは最強レベルの断熱処理をしてあるのもポイントだ。

▼フォルトナタイプCについて詳しくはこちら

スペランツァ540M／東和モータース販売

広い室内を生かしてトイレルームも設置

スペランツァ540Mは、ナッツRVではフォルトナ タイプMという名前で販売されているモデル。上で紹介したフォルトナ タイプC同様、前後にテーブルと椅子がある2ルームのレイアウトで、その間にクローゼットではなくトイレも設置できるマルチルームが挟まっている。オプションで電動のプルダウンベッドもつければ、欧州の高級キャンピングカーにありそうな構成。マルチルームはオプションでトイレをつけてもいいし、完全防水仕様なのでシャワーをつけるのもアリだ。

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ホワイトライン ヴェローナ／ホワイトハウス

クーラー標準装備、独自パーツ多数利用、業界初採用の電動展開式ベッドに注目

輸入車ベースのキャンピングカーの製作実績を多数持つホワイトハウスからは、独自のギミックが多数搭載された先進的なファミリーモデルとしてリリースされた。全長6mのデュカトに、リビング、ベッド、キッチン、トイレ＆シャワールームと一通り揃えており、その作り込みも素晴らしい。特に上の写真の部分は電動でベッドになるという機能がついており、唯一の手間だったベッド展開すら克服されてしまった。

エアコンは標準装備ではないが車載用クーラーとFFヒーターというホワイトハウスが得意とする冷房・暖房パーツが標準装備されており、実際の使い勝手の良さはルームエアコンをしのぐかも。ダイネットの窓部分に造り付けられた集中モニターで様々な電装装備の管理ができるのだがこれもオリジナル開発。完全に次世代のキャンピングカーだ。

ランドワゴン タイムレストラベル／RVランド

ルームエアコン標準装備、ありそうでなかったレイアウトのバンライフ風モデル

RVランドからはランドワゴン タイムレストラベルとルームの2台のデュカトモデルがリリース。2列目シートは前向きにも後ろ向きにもできるREVOシートで、3列目はカフェのボックスシートのような横座り、その後ろにベッドという構成。さまざまなバリエーションのレイアウトが作れる楽しさ、壁面のウッドとブラックを効果的に使ったオシャレなインテリアデザインなど、RVランドの考えるバンライフが堪能できる。

ルーム／RVランド

白壁にAC100Vの住宅用LED照明を組み合わせた＂映えるビジュアル＂

インテリアデザインの好みは人それぞれなので断言は避けるが、バンライフ的な”映え”の良さでは全デュカトモデル中1番かもしれないのがこの「ルーム」。どこをどう切り取ってもオシャレさは最強で、キャンピングカーという概念を軽々飛び越えた感がある。

もちろん見た目だけのモデルではなく、白インテリアと最後部まで見通しの良い家具構成で開放感を演出、簡単に作れるベッドの展開方法、ポータブル電源でつくる先進的な電源構成など、見どころはたくさん。

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ブレス54SL／デルタリンク

ルームエアコン標準装備、常設ベッドでファミリーも快適

デルタリンクが手がけるデュカトモデルの2台はいずれもルームエアコンを標準装備。実はデュカトモデルでルームエアコン標準装備モデルは少なく、このブレスシリーズの他はRVランドのタイムレストラベルか、ホワイトハウスのホワイトライン ヴェローナと岡モータースのグランクルーズWDに車載用クーラーがついているのみだ。

レイアウトは前が対面のダイネットでリアに常設のベッド、ゆったりした作りなので家族4人でも快適に過ごせる。各部に使われている木材はオークのリアルウッド。経年変化も楽しめる。

▼ブレス54SLについて詳しくはこちら

ブレス54DD／デルタリンク

最大8人乗車可能！ルームエアコン標準装備で前後2ルームの安らぎ空間

ブレス54SLはオークのリアルウッドを採用していたが、こちらはハードメープル材を使用。繊細でなめらかな木目が特徴のこの木材と、ダークグリーンをアクセントに使用した内装が特徴だ。ブレス54SLとはレイアウトも異なり、こちらは前後にダイネットのある2ルームレイアウト。最大8人乗車はデュカト全モデルの中で最多だが、デュカトなら立って室内を移動できるので前後2ルームの移動も悠々行える。

グランクルーズWD／岡モータース

ワクワクが止まらない個性的レイアウト

「秘密基地」という言葉にピピっとくるキャンピングカーユーザーには是非見て欲しい1台。車両の前の方は開放的なダイネットだが、なにやら後部に隠れた空間が2つ。実は右側の空間は2段ベッドに変身するダイネットで、左側の扉の先はトイレルームになっている。

▼グランクルーズについて詳しくはこちら

ここまで、7メーカー12台のデュカトベースキャンピングカーを振り返ってきた。

デュカトベースキャンピングカーは2024年2月2〜5日に開催される国内最大のキャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー2024」でも新型が多数発表されると思われる注目ジャンルだ。

オートキャンパーwebでは年始からジャパンキャンピングカーショーの事前情報も積極的に公開していくので、デュカトモデルのネタもぜひチェックしてほしい。