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災害時にも強いキャンピングカー「マルモビ」が国の事例集に掲載

トイファクトリーは、レジャー用途にとどまらず、災害時にも活用できる多目的車両「MARU MOBI(マルモビ)」を展開している。このたび、マルモビを使ったトイレカー支援の取り組みが、内閣官房が発行する「国土強靱化 民間の取組事例集(令和7年4月)」に掲載された。国による防災政策の一環として紹介されたことで、キャンピングカーの新たな可能性が改めて注目されている。

「備えない防災」を形にしたトイファクトリーの取り組み

トイファクトリーが提案する「MARU MOBI(マルモビ)」は、普段は日常生活で活用しつつ、有事には災害支援車両として機能を発揮するマルチパーパスモビリティ。取り外し可能なシートや特許構造による可変レイアウトを採用し、自治体や公共団体などを中心に導入が進んでいる。

マルモビという車両と、それを運用するイメージ図。可変するレイアウトで普段は別のことに使えつつ、有事にも備えられるという弾力性に大きなインパクトがある

能登半島地震の際には、長引く断水状況を受けて、スイス製のウォーターレストイレ「clesana(クレサナ)」を搭載したマルモビのトイレカーを石川県珠洲市に派遣。特に女性専用トイレとして朝日避難所に設置され、衛生環境の改善に大きく貢献した。

内閣官房がまとめた事例集では、この取り組みが「国土強靱化を叶える民間の先進事例」として紹介され、表紙にもマルモビのトイレカーが掲載されている。

冒頭の写真をもう一度。表紙の真ん中下段の写真がマルモビによるトイレカーの車内だ

被災地で実感した「本当に役立つトイレ」とは

被災地では設置された仮設トイレの多くが水洗式であり、排泄物の処理が追いつかないという課題があった。そんな中、注目されたのが、クレサナを搭載したトイレカーだ。

クレサナトイレカー。ハイエースの床面を走るレールに沿って家具を配置し、2人分の個室を実現。機能的ながら落ち着ける空間を作り出した

クレサナは、水も薬剤も使わずに排泄物を自動で密閉パック化する構造を持ち、ニオイやバクテリアの発生を防ぐ。高性能な7層フィルムで密閉処理されたパックは、家庭ごみとして処分可能。見た目も一般的なトイレと変わらず、使用者にストレスを感じさせない点も被災地で高く評価された。

衛生面への配慮だけでなく、電源さえあればどこでも設置できる機動力も大きな強みだ。排泄後はボタン操作のみで密閉パック処理され、使用者は一切排泄物に触れずに済む構造となっている。

もちろんクレサナは防災用の特殊車両だけでなく、普通にキャンピングカーに搭載できる

日常と災害支援を両立するキャンピングカーの価値

キャンピングカーは「趣味の乗り物」と思われがちだが、トイファクトリーでは早くから防災視点での可能性を見出していた。災害発生時においても、人が安心して生活できる「動くプライベート空間」としての価値を持ち、実際に能登半島地震でその実力が証明された形となった。

また、愛知県犬山市では2026年3月まで、公共ライドシェアの実証実験としてマルモビを無償貸与。朝夕は交通機関の代替として活用し、日中や週末は多目的車両として地域での活用が進んでいる。単なる防災車両にとどまらず、地域交通やまちづくりの視点からも新しい可能性を切り拓いている。

今後も広がるマルモビの導入と期待

2023年から本格的に自治体・団体向けに展開が始まったマルモビは、2025年度中に30以上の自治体への導入が決定。クレサナを搭載したトイレカーも今後さらに拡大予定だ。

有事と日常の境目がなくなる時代において、いつでもどこでも使える“備えない防災”を体現するトイファクトリーの車両づくりは、今後のキャンピングカーの新しいスタンダードとなるかもしれない。

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