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キャンピングカーで防災とライドシェアを両立。トイファクトリー「マルモビ」が愛知県犬山市に導入される

愛知県犬山市で、公共交通の空白地を解消しながら災害対策を強化するための新しい取り組みが始まった。トイファクトリーが手掛ける多機能車両「マルモビ」は、防災と公共交通の両方に対応する優れた性能を持っている。

キャンピングカー制作技術が活かされた「マルモビ」。日常の足にも有事にも使える

新たにマルモビパートナーシップ協定を結んだ2人 ※左・トイファクトリー 藤井社長/右・愛知県犬山市原市長

トイファクトリーが手掛ける「マルチパーパスモビリティ車両・MARU MOBI(マルモビ)」。このマルモビが2024年11月から2026年3月まで愛知県犬山市に無償貸与されることとなり、2024年11月1日に犬山市役所で車両の納車式および協定締結式が行われた。 マルモビは12月2日から平日の朝夕に交通空白地の補強として運行され、平日の日中や土日はイベントや防災訓練などにも活用される予定だ。

マルモビパートナーシップ協定書への署名はマルモビ車内で行われた

協定式に際して犬山市の原市長は「公共交通機関の減便により住民の足の確保が課題となる中で、マルモビの導入は大きな支援となる」とコメント。トイファクトリーの藤井社長も「キャンピングカーの技術を活かし、防災にも役立つ多機能な車両を提供できることを嬉しく思う」と話した。

この取り組みは、地方の交通問題と災害対策を同時に解決する革新的な一歩と言える。レイアウトを簡単に変えられるマルモビならば災害対応車として有事に備えつつも日常は地域の足として活躍でき、無駄がない。マルモビが犬山市の新しいまちづくりの一端を担い、地域住民の安心と利便性を高めることが期待される。

「シートや家具などが脱着式で、車内レイアウトを変化させられることがマルモビの強み。早速11月10日に開催される犬山市での防災訓練や、イベントなど、市民のために活用したい」と語る原市長サイドオーニングなどの便利装備についてもレクチャーが行われた

「マルモビ」について

犬山市のキャラクター「わん丸君」があしらわれた犬山市導入のマルモビ

マルモビはトイファクトリーが2024年初頭に開発した車両で、ハイエースの10人乗りコミューターワゴンをベースに、レイアウトが簡単に組み替えられることで汎用性を持たせたギミックが特徴だ。

マルモビの柔軟性をわかりやすく説明するトイファクトリーのイメージ図多人数乗車用にシートを取り付けたマルモビに乗車する地元中学生たち

上の写真からわかるようにマルモビの床面には複数のレールが敷かれていて、このレールにシートや家具類を組み付ける仕組み。ポイントは取り付けが工具不要の脱着式ということ。難しい加工を不要にすることで、自治体などでの運用ハードルを大幅に下げられる。

ウォーターレストイレ「クレサナ」をつけたトイファクトリーのデモカーによるデモンストレーション。クレサナや個室部分も脱着式で設営できる

「マルモビパートナーシップ協定」について

この度愛知県犬山市がトイファクトリーと締結した「マルモビパートナーシップ協定」とは、災害時にマルモビが被災地に派遣され、救援活動をサポートするというもの。この協定は岐阜県可児市に続き、全国で2例目の取り組み。協定を結ぶ団体が増えれば増えていけばそれだけ有事の際の心強いネットワークが生まれることとなり、拡大が期待される。

増えるキャンピングカーの災害対策への取り組み

令和6年能登半島地震の被災地へ貸し出されたキャンピングカー

オートキャンパーwebでもたびたびニュースにしているように、キャンピングカーメーカーやその集まりである日本RV協会と自治体との防災協定事例は盛んになされており、キャンピングカーと災害対策関連コンテンツがコラボしたイベントも定番化している。

能登半島地震の際に開発されたトイファクトリーのマルモビトイレカー。水がいらず、搭載した電源のみで汚物の処理ができるトイレ「クレサナ」を設置し、被災地で活用された

この動きを単にビジネスチャンス拡大というように解釈することも可能だ。しかし実際はさらに単純で、この国に災害が多く、そしてキャンピングカーは災害に強いからだと考えられる。

キャンピングカーに乗っていたり、興味のある人にとっては当たり前のことだが、キャンピングカーは(備えにもよるが)水トイレ電気などのインフラが独立しておりプライベート空間が確保でき、さらに簡単に移動ができる。 自然災害時の避難所や緊急支援拠点として大いに期待できる存在なのだ。

能登半島地震被災地の災害対策支援のため開始した「珠洲市支援全国自治体職員宿泊場所設置プロジェクト 」では、30台のキャンピングカーを現地に届け、災害対応にあたるスタッフのためのキャンプ村を作り上げた

今後も自治体との連携が進めば、地域の防災力がさらに強化されることとなるだろう。私たちにとっては身近なキャンピングカーが、いざというときの頼れる存在となる未来に期待したい。

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