美しい内装、しかも高性能。2025年の最新輸入キャンピングカー6選
バーストナーやエトルスコなど、ジャパンキャンピングカーショー2025に登場予定の新型輸入車を紹介。イベント前に各ブランドの概要をおさえて予習しよう。
輸入キャンピングカーは「ユーロトイ」オープンにより選択肢が増加中
国内最大級の輸入車キャンピングカー屋内展示場をそなえた「ユーロトイ相模原」
輸入キャンピングカーのブランドは、これまでオートキャンパーwebで紹介してきただけでも、欧州最高峰ブランドと言われるハイマーを筆頭に、デスレフ、バーストナー、ホビーといったドイツブランド、フジカーズジャパンが輸入するモービルヴェッタ、ローラーチームのイタリア勢、スロベニアのアドリアモービル、スウェーデンのカーベ、アメリカのティフィンモータースのモデルなど多岐にわたる。
そこに2024年春に参入を果たしたのが、国内バンコンビルダー最大手の一角、トイファクトリーが開いた輸入車セレクトショップ「ユーロトイ」だ。これによりエトルスコやライカといった、新たなブランドに出会えるようになった。
エトルスコもライカもハイマーグループ傘下で、エトルスコは2016年立ち上げの新進気鋭ブランド、ライカはフェラーリで有名なジウジアーロがデザインしたハイマーグループ最上級のラグジュアリーブランド。性格は違うがいずれもハイマーの高い技術や堅牢なパーツが投入されているため信頼性は高い。
輸入キャンピングカー、ここがメリット
クレオスL5009(ライカ)の室内。光をふんだんに取り入れるラグジュアリーな空間だ
輸入キャンピングカーのメリットはまず美しい内外装、そして投入されている最新技術や装備。日本とは市場規模の桁が違い競争も激しいため、高い機能性と品質が追及されている。その分お値段も高いが、世界基準の美と機能性を楽しめる。
なおキャンピングトレーラーはほとんどが輸入車のため、別記事を参照されたい。
お値段順、輸入キャンピングカー6選
※価格はすべて2024年12月時点のもの
エリセオC644 アクティブパッケージ/バーストナー【1485万円~】
電動2段ベッドが便利
ドイツの人気ブランド・バーストナーから、ファミリーにもオススメな1台を紹介する。「エリセオ」はフィアットデュカトの機動力と快適性を両立させたモデルで、コンパクトな中にもシャワーやトイレルーム、大型冷蔵庫など装備はしっかり。
面白いのはレイアウトで、フィアットデュカトを使った輸入キャンピングカーは、くつろぎ時には運転席と助手席を後ろ向きにすることでセカンドシートとテーブルを囲むかたちを作ることが多いが、このエリセオC644はそうではなく、車両後部にコの字でリビングを作っている。
これがそのリビング部分。シートベルトがあることからもわかるように、ここに乗って移動ができる。なかなか優雅な気分になれそうだ。
ではどこにベッドがあるのかというと、冒頭の写真をよく見ると天井にベッドが押し付けられているのがわかるだろうか?これ、実は電動で降りてくるプルダウンベッドなのだ。プルダウンベッドはバーストナーのキャンピングカーでよく使われる手法で、空間効率の良さと簡単さで人気がある。このベッドのおかげで、バンコンという限られた空間に快適装備を多数装備しても6人乗車4人就寝という大人数移動にも対応した、マルチに活躍できる1台だ。
コの字のリビングの快適さを中心に据えたレイアウト。プルダウンベッドのおかげで就寝シーンへの切り替えが簡単なのが嬉しい
CV 600DB/エトルスコ【1694万円〜】
ホワイト基調のインテリアが爽やか!
エトルスコのCV 600DBはボディも白くスッキリだが内装もホワイト基調でなんとも爽やか。フロントシートとセカンドシートで作るリビング部分もこんなにスッキリ。天井部分がちょうどポップアップルーフの開口部なので明るく広々している。
フィアットデュカトのボディをそのまま使うバンコンと呼ばれる架装形態で作られており、前方リビング、キッチンを挟んで最後部にハイマウントのベッドというレイアウトは定番のもの。
定番ということは当然収納力と使いやすさは保証付き。嬉しいのはベース車が全高2700mmあるので室内で余裕で立ててしまうというところだ。ポップアップルーフ内も広々しているし、家族4人で楽しく旅に出られる。
Lyseo ギャラリーTD689G ハーモニーライン/バーストナー【1815万円〜】
室内階段アリ、ガチで2階建て!
ポップアップルーフを装備したキャンピングカーを「2階建て〜」と表現する場合もあるが、この「リセオギャラリーTD689G ハーモニーライン」に関しては本当に2階建てだ。パッと見は分からないが、運転時と助手席の頭上にある部分がポップアップする。
このポップアップの内部はどうなっているのか?車内に入ってみると、なんと階段がある。写真右手に見えるのが階段で、内部は収納庫としてちゃんと活用されている。
階段をのぼった先にあるのは、大人2人分の広いベッドスペース!吊り下げ式のテーブルまでついて、まさにお部屋といった風情。天井に大きな採光窓があるので明るく開放感は抜群。写真だと転がり落ちそうで怖く思えるが、ちゃんと転落防止のガードが付属しているので安心してほしい。
このポップアップは本当に優秀で、テント部分はエアチューブに空気が入ったもの。電動でチューブ部分に空気が入ることで立ち上がる仕組みになっている。空気の層が強力な断熱材となり、2階部分も快適。本国ではマイナス30℃の耐久テストもクリア済みだ。
フィアットデュカトがベースで、ベッドは2階部分を使用する。前方からL字ソファが優雅なリビングに、3口コンロがついたキッチン、トイレとシャワールームは別々で、最後部は豊富な収納量を持つクローゼットと外部収納庫。カップルで優雅に使いたい
T6900SB/エトルスコ【1980万円~】
美しさに機能性を融合したイタリアンデザイン
エトルスコのT6900SBはロープロファイルと呼ばれる高さをおさえたデザインがなんとも優美な1台。運転席と助手席の頭上の張り出しが少ないのは見た目がシュッとするだけでなく、運転時の空気抵抗も軽減される。
かといって室内高が犠牲になるわけでなもなく、全高2.1mのため室内は普通に人が立てる。リビング部分はフロントシートを後ろ向きに回転させてテーブルを囲む、お約束のスタイル。定番だけど運転席の部分から室内空間として使えるから空間効率が良いのだ。
リビングからキッチンやトイレルームを挟んで最後部がベッドになっている。ツインベッドとしても使えるし、2つのベッドの間にマットを置けば横幅約2mの大きなベッドルームに。このゆったり感はなかなか国産キャンピングカーでは味わえない。
フィアットデュカトベースで、フロント部分が回転してテーブルを囲めるようになり、キッチンやマルチルームを挟んで最後部がベッド、ベッドの下が収納と王道のレイアウト。全長7m、全幅2.1mの堂々ボディのため圧倒的にゆったり
Lyseo I744/バーストナー【2024万円〜】
超貴重!日本で乗れるフルコンバージョン輸入車
Lyseo I744はドイツ・バーストナーのキャンピングカーで、この業界では「フルコン」と呼ばれる架装方法で製作されている。フルコンことフルコンバージョンは「キャンピングカーの最高峰」とも言われ、エンジンや駆動系、フレームといった部分のみ自動車メーカーから供給を受け、それ以外の部分はすべてキャンピングカーメーカーが完全オリジナルに架装して作られる。
運転席周りもイチから作っているのでリビング部分が素晴らしく広い。大きな窓、運転席側のサイドはドアをなくしてキャビネットが据え付けられている。
全長7.4m弱のボディなのだが、車両後部にもう1部屋リビングがある。いわゆる2ダイネットと言われる作りで、これなら乗車定員7人全員がゆったりすごせそう。
こちらが後部のリビング。適度な囲まれ感があってくつろぎ感がある。こんなにリビングばかりでベッドはどこか?というと、なんと前後2つのリビングの頭上にある。電動のプルダウンベッドが装備されていて、前後それぞれのベッドで2人が寝られる設定。ラグジュアリーがすぎる。
フルコンバージョンなので運転席側ドアはなし。前後に2つのL字リビングがあるゆとりが溢れまくっているレイアウト。中央部にはフル装備のキッチン、シャワールームとトイレももちろん別。全長7.4m全幅2.3m全高2.9mの大迫力ボディのなせる技だ
クレオス L5009/ライカ【3454万円~】
ジウジアーロによるイタリアンデザインが映える
ライカは1964年設立の老舗ブランドだが、ハイマーグループに統合され、グループ内で最もラグジュアリーなブランドとして位置づけられている。そのライカのなかでも高級グレードなのがこのクレオスL5009なので、日本国内で買えるキャンピングカーの中で最高峰の1つと考えて間違いない。
全長8mに迫るビッグボディなので室内レイアウトはゆったり。オーブン付きのフルサイズキッチンに独立したシャワーとトイレルーム、2m近い長さのツインベッド。リビング部分には天井から電動で降りてくるプルダウンベッドも備わっている。なにより細部まで徹底して磨き上げられたデザインが美しい。
キッチンは3口コンロでオーブンまで装備。この対面に大型冷蔵庫や電子レンジも備えたフルサイズの備えだ。キッチンの奥に見えている木目も美しい空間がシャワールーム。ガラス戸で仕切られていてすばらしくラクジュアリー。マスターピースと呼ぶにふさわしい逸品だ。
フィアットデュカトベースで、フロントシートが回転して欧州車によくあるレイアウト。ベッドの下は巨大収納庫。間違いなく使いやすい