夏の車中泊を涼しく過ごそう!ポータブルクーラー5選&選び方ガイド【2025】
夏の車中泊を快適にするなら、ポータブルクーラーは必須装備。 小型車からキャブコンまで、それぞれの車内空間に適した冷房能力の目安とおすすめ製品を徹底解説する。
車中泊にポータブルクーラーは必要? 冷房能力の目安をチェック
近年の夏は猛暑が続き、キャンピングカーでも本格的な冷房対策が欠かせなくなってきた。 中でも、車内の断熱性が低いバンタイプでは外気温の影響を大きく受けやすい。そんなときに頼りになるのがポータブルクーラーだ。
製品選びでカギになるのが「BTU(British Thermal Unit)」という冷房能力の単位。 BTUが高いほど、より広い空間を冷やす力があると考えてよい。目安として一般的な家庭用エアコンでは、6畳用で約2.2 kW、約7,500BTU。
ただし車内は断熱性や直射日光の影響が大きく、家庭用の基準よりも多めの冷房能力が必要になることが多い。一般的なカーエアコンは10,000BTU強の能力がある。
以下に、キャンピングカーや車中泊車の主な車種の荷室容積と、それに対応するBTUの目安をまとめた。
車内を強力冷却するポータブルクーラー。置き場や排熱ダクトの効果的なレイアウトがカギだ
スズキ・エブリイ(荷室容積:約3.4㎥)
・荷室サイズ:長さ1,955mm × 幅1,385mm × 高さ1,240mm
・目安:2,000~3,000BTU
軽キャンパーでおなじみのスズキ・エブリイ。比較的コンパクトな空間だが、真夏に使用するならなら2,000BTU以上の性能がほしい。より実用性を求めるなら3,000BTU程度の機種がおすすめ。
トヨタ・ハイエース(荷室容積:約6.0㎥)
・荷室サイズ(※):長さ3,000mm × 幅1,520mm × 高さ1,320mm
※最も小さいロング・標準ボディ・標準ルーフの荷室サイズ
・目安:3,500〜6,000BTU
日本のキャンピングカー・車中泊車のメインストリーム、ハイエース。 バリエーションの中で最も小さく、車中泊車としても人気が高いロング・標準ボディ・標準ルーフで荷室容量を算出したが、それでも当然エブリイより広いため、冷房能力はワンランク上が必要。夜間や外気温が低い時間帯なら3,500BTUでも対応できるが、パワフルな6,000BTUクラスの導入を検討したい。
キャブコン(室内:約13.3㎥)
・想定居室サイズ:長さ3,500mm × 幅1,900mm × 高さ2,000mm
・目安:7,500~BTU
トラックをベースに、床や壁、天井など居室部分をすべて架装する本格的なキャンピングカーのジャンル「キャブコン」。モデルによってサイズや室内レイアウトが大きく異なるため一般化が難しいが、人気の主流である全長5m×全幅2mクラスのキャンピングカーの居室サイズを3,500mm × 幅1,900mm × 高さ2,000mm程度と仮定して、居室全体を冷やすとすると、家庭用エアコンに近い性能が求められる。
キャンピングカーには家庭用ルームエアコンの搭載が急速に進められているが、サイズ感を考えるとなるほど理にかなっている
ただ、「 ポータブルクーラーだけで対応するのは無理じゃん!」と思うのは早計だ。このクラスのキャンピングカーは室内空間がベッドルームやリビング部分に分かれているので、生活シーンに応じて必要なところにポータブルクーラーを配置すれば良い。
ポータブルクーラー選びで注目すべきポイント
BTUだけでなく、以下の要素も重要だ。
・断熱対策:
遮光カーテンや断熱材を活用すれば冷房効率が大きく向上する。夜間ならなるべく早くエンジンを切って、車体から熱源を減らすのも効果的。
・電源:
消費電力が大きいため、対応するポータブル電源との相性を確認しよう。RVパークやオートキャンプ場など、電源が使える場所をうまく利用するのもオススメ。
・排熱処理:
クーラーは冷たい空気を作る一方で、熱い空気も排出する。これを車外へ排熱できないと冷えにくいので、ダクトの位置は事前によく検討しよう。
・サイズと重量:
狭い車内でも使いやすいコンパクトな設計が理想。20kg以下なら女性でも1人でギリギリ扱えるので、車外でも使いたいなら目安にしたい。
・騒音レベル:
静音性も快適性に直結。モードごとのdB値、特に睡眠モード時のdB値はよく確認しよう。
2025年注目のポータブルクーラー6選【BTU順】
シロカ/除湿機能付きポータブルクーラー
・冷房能力:約350W(約1,200BTU)
・定格消費電力:約160W
・サイズ:220×220×414mm
・重量:6.5kg
・モード:冷房/除湿/送風
・温度範囲:17~38℃
・風量調整:3段階
・騒音レベル:最大54dB
・価格:4万4800円
・購入先:amazon/公式サイト
シロカ 除湿機能付きポータブルクーラーはとにかく軽くて、持ち運びやすいのが大きな魅力。取っ手付きで片手でもラクに移動できるうえ、見た目もスッキリとスマート。6.5kgという軽量設計ながら、コンプレッサー式でしっかり冷える。しかも除湿機能も付いていて、ムシムシした夜や朝の結露も防げる。ポータブル電源との相性もよく、省電力だからサブバッテリーにも優しい。コンパクトな車内やテント泊など、あらゆるシーンで活躍してくれる一台だ。
このコンパクトさ。6.5kgなら女性でも扱いやすい
PowerArQ/ポイントクーラー
・冷房能力:約530W(約1,800BTU)
・定格消費電力:200W
・サイズ:350×242×245mm
・重量:5.2kg
・モード:冷房/除湿/送風
・温度範囲:16~30℃
・風量調整:3段階
・騒音レベル:42~56dB
・価格:7万7000円
・購入先:amazon/公式サイト
PowerArQのポイントクーラーはスタイリッシュなデザインと、5.2kgという軽量さで女性にも扱いやすい。LEDライトが本体に内蔵されており、夜の車中泊では間接照明としても使える。冷房能力はコンパクト車での使用や寝る前の一時的な冷却にはちょうどいい。スポットクーラー的な使い方がベストで、省電力性の高さもポイント。ポータブル電源「PowerArQ Max 2150Wh」との組み合わせで最長9時間という長時間の使用も可能なので、夜通しのキャンプにも安心だ。
PowerArQの「PowerArQ Max ポータブル電源 2150Wh」。PowerArQのシリーズは映えるデザインとカラバリで人気なので、セット使いしたい
コイズミ/ポータブルクーラー ラ・クール
・冷房能力:約650W(約2,210BTU)
・定格消費電力:330W
・室内機サイズ:400×390×185mm(6kg)
・室外機サイズ:430×390×185mm(12.8kg)
・モード:冷房
・温度範囲:なし(室温から6~8℃低い空気を排出する)
・風量調整:2段階
・騒音レベル:58~64dB
・価格:17万3800円
・購入先:公式サイト
コイズミのポータブルクーラー、ラ・クールは室外機と室内機がセパレートになっている本格派モデル。車内に熱気がこもらず、騒音も抑えられるのが最大の特徴。冷房能力も着実に進化しており、2025年モデルでは省電力化とパワーアップを実現。「オーバーナイトクーラー」として想定され、一晩を快適に過ごすという設計のため、運転中はドレン水が自動的に排出され、さらにその水を利用して室外機を冷却するという効率的な仕組みも備える。
本体と室外機の間のコードはキャンピングカーのドアや窓の隙間を通せる
発売14年を迎えたロングセラ―モデルだが、ポータブル電源の高性能化やRVパークの普及を背景に、年々人気が増しており、2025年度の公式サイトでの販売は早々に終了。2026年度入荷分の予約を2025年12月1日より開始するということで、公式サイトから「再入荷お知らせ」を登録しておくと通知が来るのでリマインドとして活用しよう
このように2025年6月現在、公式サイトでは品切れとなっているが、「再入荷お知らせ」を登録しておくと、2025年12月1日からスタートする次回入荷のお知らせが届く
BougeRV/3500BTU ポータブルエアコン
・冷房能力:1,000W(3,500BTU)
・定格消費電力:400W
・サイズ:554×297×275mm
・重量:15kg
・モード:冷房/除湿/睡眠/強力冷房/送風
・温度範囲:16~32℃
・風量調整:3段階
・騒音レベル:最大63dB(強力冷房時)/50dB以下(睡眠モード)
・価格:5万9980円
・購入先:amazon/公式サイト
BougeRVの3500BTU ポータブルエアコンは、6㎥の空間を10分で10℃下げる驚異の冷却力。ハイエースクラスの車内でもしっかりと効いてくれる頼もしさがある。モードが豊富で、日中の強力冷房から夜の静かな睡眠モードまで対応。ドレン水の排水不要の蒸発方式やアプリ操作対応など、使い勝手のよさも抜群。コンプレッサーは安心のパナソニック製。15kgと少し重さはあるが、それを補って余りある性能で、夏の車中泊が快適になること間違いなし。
リモコンだけでなくアプリでも操作可能。寝ぼけ状態でリモコンを探さなくて良いのが便利同メーカーのポータブル電源「Rover2000」と組み合わせると冷房モードで6時間、睡眠モードなら最大100時間の長時間稼働を実現
EENOUR/PA600 スポットエアコン
・冷房能力:1,758W(6,000BTU)
・定格消費電力:550W
・サイズ:475×295×405mm
・重量:13.8kg
・モード:冷風/送風/除湿/スリープ
・温度範囲:16~31℃
・風量調整:7段階
・騒音レベル:42~56dB
・価格:12万9980円
・購入先:amazon/公式サイト
EENOURのPA600 スポットエアコンは、冷房性能と静音性を高次元で両立した人気モデル。風量は7段階で細かく調整でき、16~31℃の範囲で温度設定も可能。複数の送風装置を搭載したデュアル換気システムによって、車内と車外の空気を効率的に循環させ、ムラなく冷やせるのが特長。パナソニックの2気筒式コンプレッサーを採用し、冷却スピードも早く、急な暑さにもすぐ対応できる。デザインも洗練されており、本体はブラック/グリーンの2色展開。リモコン付きで操作も簡単で、日中から夜までフル活用できる一台だ。
複数の送風装置を組み合わせた「デュアル換気システム」で室内の空気を効率的に循環させるぞ
夏の車中泊を快適にするために
ポータブルクーラーは、冷房能力と快適性のバランスが鍵。 車両サイズに合ったBTUを見極め、電源や排熱、断熱などの周辺環境も整えることで、夏の車中泊は大きく快適になる。 今年の夏は、自分のスタイルにぴったりなクーラーを手に入れて、暑さを気にせずアウトドアを楽しもう。
クーラー/エアコンの特集はこちら