トイファクトリー・ダヴィンチ6.0オーナーに聞く、デュカトバンコンの魅力とハイエースにはない優位性
バンコン、キャブコンと乗り継いできた長嶋教道さん。現在の愛車は、2024年12月に納車されたデュカトベースのダヴィンチ6.0。キャンピングカー歴17年のベテランが、デュカトベースを選んだのはなぜなのか? ハイエースのバンコンと比べて、走りや居住性はどうなのか? デュカトキャンピングカーは、初心者にもお奨めできるのか? 夫婦でキャンピングカーライフを満喫中の長嶋さんに、オーナーだからこそわかる本音を聞いてみた。
キャンピングカー歴17年、3台目のキャンピングカーに乗る長嶋夫妻
今回話を聞いたのは、こちらの東京都在住の長嶋夫妻。ランドティピー、ジル520、ダヴィンチ6.0と3台のキャラクターの違うキャンピングカーを乗り継いできた、キャンピングカー歴17年のベテラン。夫婦で気ままなクルマ旅を楽しんでいる。
いろいろ乗ったからわかる。デュカトキャンピングカーの優位性
Q.フィアットデュカトベースを選んだ理由は?
A.走行性能、正規輸入車であること、そしてトイファクトリーブランド
まず走行性能という点ですが、以前乗っていたカムロードのキャブコン(リヤシングルタイヤ)は走行安定性が悪く、足回りをひと通りカスタムしても満足できるレベルではありませんでした。横風やトラックに抜かれた際にボディが大きく振られるし、タイヤバーストや横転の不安も常に頭から離れなかったです。デュカトベースに乗り替えを決めたのは、“安心・安全に走れる走行性能”が一番の理由ですね。
それとは別に、キャンピングカー仲間からデュカトの魅力はよく聞かされていたし、自分自身も一度は輸入車に乗ってみたいという思いがありました。それが現実になったのは、2022年にデュカトが日本に正規導入されて安心して乗れる体制が整ったから。輸入車は故障やメンテナンス面に不安があるので、正規導入されていなかったらデュカトに乗ることもなかったかもしれません。
また、初めて乗ったキャンピングカーがトイファクトリーのランドティピーで、ビルダーの信頼性とオシャレな室内のデザインに大満足していました。そのため、デュカトベースのバンコンを検討する際もトイファクトリー製であることにこだわりました。
Q.ダヴィンチ6.0のお気に入りポイントは?
A.走行性能と居住空間
重ねてになりますが、とにかく走行性能が素晴らしい! トルクがあるので軽くアクセルに足をのせているだけで快適に巡行できるし、高速走行でもボディが安定していてロールも少なく、東名の120㎞/h区間も乗用車感覚で快適に走れます。フロントシートの座り心地が良く長時間乗っていても疲れないので、助手席の妻もかなり喜んでいます。カムロードのキャブコンはブレーキ性能に不安がありましたが、デュカトのブレーキ性能は必要十分。いろは坂の下りも、まったく問題なく走れました。走行性能に不満を感じたことは、今まで一度もないですね
フロントはオプションのレザーシートを選択。アグチシートは、長時間でも疲れない最上級の乗り心地が魅力
そしてダヴィンチ6.0は全長6mのL3H2がベースなので、室内はかなり開放感があります。ハイエーススーパーロングのバンコンよりも断然広く、キャブコンと比べても遜色ないです。回転式フロントシートや、ウォークスルーがラクにできるのもお気に入りの点。クレサナを装備したトイレルームは広さも十分で処理の手間もないし、リヤの常設ベッドも夫婦旅にはピッタリのサイズです。
初心者が最初の1台に選んでも大丈夫?
Q.ハイエーススーパーロングのバンコンと比べたメリットは?
ハイエーススーパーロングベースのランドティピーは、天井に頭が当たって室内でまっすぐ立てませんでしたが、デュカトベースは室内で立って生活ができるのがとにかくラク! ちゃんと使えるマルチルームがあるのも、バンコン時代にはなかったメリットです。走行性能はハイエースと同等かそれ以上で、取り回しや運転のしやすさも慣れてしまえばハイエーススーパーロングとほとんど変わりません。ランドティピーの平均燃費は7~8㎞/Lでしたが、ダヴィンチ6.0は平均燃費10㎞/Lで、条件がよければ12km/Lくらいは走ります。ディーゼル車で燃料が軽油ということもあり、ハイエースバンコンに乗っていた頃と比べて燃料代はかなり抑えられています。
Q.納車から現在まで車両のトラブルはありましたか?
故障が不安という声もよく聞きますが、今のところ車両のトラブルはまったくないです。デュカトはミッションが弱いと言われますが、自分のクルマは信頼性が高いトルコン式の9速ATミッションなので安心感があります。万が一旅の途中でトラブルがあったときに、全国のディーラーで修理対応してもらえるのも正規輸入車ならではですね。
冬シーズンには、ウインタースポーツを楽しむのが恒例の長嶋家。FF車のデュカトでも、スタッドレスタイヤで雪道を難なく走破できる
Q.ボディサイズが大きいので運転に不安を感じる人も多いと思いますが……
確かにボディは大柄ですが、運転席の位置が高く前方視界が開けていて、大きなミラーで側面や後方を確認しやすいので、見た目以上に運転はしやすいです。小回りが利かないので狭い道には入らない、全幅が大きいので駐車場はクルマが少ない場所を選ぶなど、最低限のポイントだけ押さえておけば問題ありません。 FF車のデュカトは雪道に弱いイメージがありますが、スタッドレスタイヤのみでまったく問題なくスキー場に行くことができました。デュカトバンコンはフロントヘビーなので、雪道でも結構トラクションがかかります。
全長5995×全幅2100×全高2525mmのビッグサイズだが、慣れてしまえば初心者でも運転は難しくない
Q.ズバリ、デュカトバンコンは初心者にお奨めのクルマですか?
個人的には、デュカトだからとかまえることなく、初心者でもまったく問題なく乗れると思います。むしろ初心者こそ安心・快適に走れるデュカトベースで、キャンピングカーの楽しさを思いっきり味わってほしいですね。


