【連載】キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」第30回RVパーク 美郷の湯(徳島県)
キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2026年4月29日現在、日本全国にRVパークは633カ所ほど存在しています。
ホタルの生息地で有名な美郷地区
四国の一級河川で知られる吉野川は高知県吾川郡にある標高1896mの瓶ヶ森が水源。四国山地を横断しつつ徳島平野へと続き、紀伊水道へと注ぐ総延長194km、四国の約2割を占める3750平方キロメートルと四国最大の流域面積を持つ。そんな吉野川を市境の北側に持つ吉野川市は徳島県では4番目に人口の多い街で、鴨島地区、川島地区、山川地区、美郷地区の4つエリアに大別できる。
今回紹介するパークは美郷地区にある。ここは1970年に地区全域が「美郷のホタル及びその発生地」として国の天然記念物に指定された自然の豊かなエリア。ホタルの流域面積、数、期間とも全国でも有数の地として知られており、毎年5月下旬から6月上旬には「美郷ほたるまつり」が開催され、多くの観光客が訪れる。
パークへのアクセスは徳島道・土成ICから国道318号から国道192号を経由して、県道43号線から向かうルートと、徳島道・脇町ICから国道193号から国道192号に入り、再び193号を経由して県道45号で向かう方法がある。ただ、土成ICからいく場合は県道の幅が狭く、対向車とのすれ違いが困難な場所が多いため、大型車や運転に自信のない場合は脇町ICからのルートがお薦め。また、パークの入り口部分に橋が架かっており、ここの幅が2.5mのために大型輸入車などの車両は利用できないので注意が必要だ。
澄んだ空気に鳥のさえずりでいやされるパーク
美郷の湯はもともと入浴施設で2017年よりRVパークも併設されていたが、2020年に休業。しかし、乃一大樹さん・美智子さんご夫婦が引き継いぐことで、2022年に温泉宿泊施設として再開した。施設とパークは徒歩で3分ほど離れていて、チェックインは施設にて行なう。パークはオートキャンプ場が併設されており、炊事場も完備。区画は全6区画を用意している。ほかにも電源必要なしで2区画あり、団体での利用などにも対応している。
入浴宿泊施設と食堂はパークから徒歩3分ほど。施設駐車場からパークに続く歩道も完備
オートキャンプ場としても利用されるため、砂利引きのパークはオーニングの展開はもちろんのこと焚き火などもできる。炊事場も大きく調理や片づけなどもしやすい作り。また、温泉宿泊施設内には週末限定で「森の小さな食堂 SPICA」がある。乃一さんは以前に野菜卸売業をしていたこともあって、新鮮な食材をふんだんに使った料理を楽しむことができる。
何より、忘れてはならないのが温泉。昔から地元の人にも愛される温泉は東山鉱山跡地の湧水を引き込んだ自慢の湯。徳島県では比較的珍しい弱酸性の泉質により肌もツルツルになると取材時にもリピーターの太鼓判を聞くことができた。
地元、美郷地区の人たちはもちろんのこと、吉野川市民にも癒やしと憩いの場として人気の温泉。利用日は地元で収穫された柚子がお風呂に入っていて身体もポカポカ、肌もツルツル。入浴料は大人550円、小学生300円でパークや食堂利用の場合は50円引き温泉の横には休憩処も完備。壁には大きな周辺観光案内図があるため、くつろぎながら旅の予定を立てられる
買い物や外食は鴨島地区、川島地区へ
周辺観光は、吉野川の学島橋や川嶋橋といった潜水橋(沈下橋)といったここならではの景色を見よう。ほかにも川島公園内にある川島城・本丸跡などの史跡や、お遍路旅なら第9番札所・法輪寺や第10番札所・切幡寺、第11番札所・藤井寺、第12番札所・焼山寺などへのアクセスも良好だ。
買い物は地元新鮮食材などを楽しみたいなら阿波食ミュージアムがお薦め。食材以外にもお土産なども多くそろう。また、スーパーはマルナカ山川店がパークからも行きやすい。
グルメについてはクルマで20分ほどにあるJR鴨島駅周辺に食事処が多くそろうので、外食派なら足を伸ばしてみるのもいいだろう。ちなみに、ここ鴨島駅近くにはキャンピングカーの老舗ビルダー「アネックス」の工場があるのでオーナーなら聖地巡礼してみるのもいいだろう。
豊かな自然に囲まれた静かな環境にあるパークは情緒豊かで、澄んだ空気も心地よく、ゆったりとした時間を堪能することができた。さらに食事や温泉も満喫することができ、大満足。次回はホタルの季節に合わせて行きたいと思うのだった。
川島城
川島公園内にある川島城は戦国時代に土地の豪族・川島兵衛之進が築城したと言われている。1638年の一国一城令により廃城となったが、1982年に復元された。周囲には遊歩道、展望台、遊具広場、万葉植物園などがあるほか、桜の名所にもなっている
阿波食ミュージアム
名西郡石井町高原字中須154 徳島県の新鮮な野菜や果物、加工品などを取り扱う農産物直売所。野菜はもちろん、果物ではいちごやぶどう、梨なども有名。地酒や惣菜・お弁当、お土産にもいい加工食品なども豊富
中華そば龍馬
阿波市市場町香美西野神187-1 周囲には徳島県のソウルフードである徳島ラーメン(中華そば)を提供するお店も数多い。中華そば龍馬はあっさりめなのにコクのあるスープが美味 (600円)!


